どんなに勉強しても、どんなに想像力を膨らませても、直接体験した人と同じ恐怖、不安は体験できない。実際にその出来事を体験し、その影響を肌で感じなければ、行動が変わるほど理解するのは難しい(サイコロジー・オブ・マネー―一生お金に困らない「富」のマインドセット モーガン・ハウセル著)
これは、「サイコロジー・オブ・マネー」一文で、直接的な経験がなければ、その影響を深くは感じられないと述べています。
私が体験した最大の恐怖はコロナショックでした。わずか1週間で300万円が消えたのですが、狼狽売りを避けられたのは、「敗者のゲーム」にある以下の一節を何度も読んだからです。
「株式を売りもせず、売る必要もなければ、株価の上下に大きく心を動かされる必要はありません。インフレや自己の感情による不必要なリスクこそが、長期にわたる最大の脅威です。だからこそ、短期の市場変動から目を背け、長期投資を貫くことが最も賢明です。」(チャールズ・エリス著)
結果として、コロナショックも数ヶ月で収束し、市場は回復しました。しかし、リーマンショックの際に投資していたら、同じように冷静に対応できたかどうかは、未だに疑問です。リーマンショック時の市場の落ち込みも、後から見れば絶好の買い場でしたが、当時の投資家にとってはその恐怖を知る由もありません。
今後も市場の調整局面は必ず訪れます。自身の投資方針に基づけば、持株を恐怖に駆られて売却することほど愚かな行為はありません。そう自分に言い聞かせていますが、時には利益を確定させたほうが良いのではないかとも思います。また、市場が下がった時に再度購入する方が賢明かと考えてしまうこともあります。
ただ、そうしたタイミング投資が常にうまくいくわけではなく、「JUST KEEP BUYING」にもあるように、タイミングを計ることの難しさと、市場の不確実性について警鐘を鳴らしています。市場の波に一喜一憂せずに投資を続けることが、結局は最も合理的な戦略だと結論づけられています。
自分の投資ルールも買ったら売らない。実際にそれが実行できるかは、その時でないとわかりません。しかし、少しでも実行の確率を上げるために、過去の事例を研究し、もしものときのために心の準備をしておきます。
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