最近、母親と投資について話す機会がありました。母親は地方銀行の営業担当者からすすめられた投資商品を選んでおり、現在約100万円近くの損失が出ています。さらに、その営業担当者は別の商品への買い替えを勧めているようです。
この営業担当者は若い女性で、顔見せの頻度も高いとのこと。親は退職金を受け取ったタイミングで投資を始めましたが、基本的には貯金のみでした。地方に住む親とは年に2回会うか会わないかで、投資の話をするのも難しい状況です。
地方銀行の推奨する商品は売れ筋であるものの、売買手数料や信託報酬が1.5%もかかり、株クラでは情弱としてバカにされるような内容です。TOPIX連動商品など、低コストな方がパフォーマンスが良いです。というか、圧倒的です。
親は銀行員の言葉を鵜呑みにしており、営業担当者の定期的な訪問を信頼の証と捉えています。単なる、営業なのに、自分は特別によくしてもらっている思っています。
最も問題なのは、親が市場や商品を独自に調べることなく、銀行員の提案に依存している点です。また、「高い手数料=高品質」と信じています。
どうしたらいいんでしょうか。。
人々の生涯にわたる投資判断は、その人が同時代に経験したこと、特に成人して間もない頃の経験に大きく左右されることが明らかになったのである。(サイコロジー・オブ・マネー)
親の世代は20代、30代は子育てで金がかかり、子供が成長してからは、デフレ。日本の失われた 30年がちょうど働きざかりの時期。投資にたいするイメージが自分の世代と違うのは仕方がないと思います。一方で、インフレがじわじわと進行していて、老後の生活に不安がある中で(子供も近くにいないし)、専門家に見える銀行の営業から、いい商品ありますよと言われれば飛びつくのも仕方ないでしょう。
凄く残念だなと思うのが、地方銀行がいまだに、そんな商売をしていることです。銀行業界が盛んに言っていたフィデューシャリー・デューティーとは何だったのか。銀行業は世の中に必要とされていても、倫理観のない商売を続けていく限り、今後淘汰されていく気がします。
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